遅れるとは?/ ノーローン
[ 1254] 科学なニュースとニュースの科学:【第7回】逃げ遅れる人々 〜実はパニックは起こりにくい? - ITmedia アンカーデスク
[引用サイト] http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0703/09/news027.html
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作家/脚本家/翻訳家/批評家でアニメのSF設定も手がける堺三保氏に、気になる科学の話題をピックアップして独自の視点で語っていただく連載コラムです。日本は津波警報が素早く出されることで評価されていますが、実はそれを聞いていても避難する人は少なく、現実に津波が襲ってきたときの被害が心配されているというのです。 地震、火事、事故などの災害が起こったとき、多くの人々がパニックを起こしてしまい、警察などの指示も聞かずに我先に逃げまどい、被害をさらに拡大してしまう……。これは、映画やテレビドラマなどでよく見かける光景だけど、実際にはそれとはまったく逆の事態によって被害が拡大してしまいがちだと言ったら、読者の皆さんは信じるだろうか? つまり、「たいしたことないだろう」と勝手に判断してしまい、場合によっては避難するよう指示されてもその場にとどまってしまう人が大勢いるというのだ。 昨年11月15日と今年の1月13日、千島列島を震源とした地震が起こったが、このときの避難状況はまさにそういう状態だったことが総務省消防庁の調査で明らかになった(総務省消防庁報道資料:PDF)。 避難勧告が出された北海道、岩手、三重県の計25市町村から住民避難状況を聞いたところ、勧告が出た地域の住民は計11万3919人もいたのに、このうち避難所に逃げたのはたったの9001人(7.9%)しかいなかったという調査結果が出たのだ。つまり、9割以上の人たちが「避難するように」と言われたのに、その場にとどまっていたのである。 たいした津波がこなかったからいいようなものの、もし数年前にインド洋で起こったような大津波が襲っていたら、どれだけの被災者が出ていたことか。想像するとぞっとしてしまう。 こういった地域差は、それぞれの地域で、防災意識が住民のあいだにしっかり根づいているかどうかの差なのはまちがいない。そして、防災意識を根づかせる取り組みがない自然なままの状態では、人は「危険を通知されても逃げおくれてしまう」ものなのである。 広瀬弘忠氏の『人はなぜ逃げおくれるか』(集英社新書)では、こういった人間の心理状態を「正常性バイアス」という言葉で表している。 この本は、いざというとき人々が理性を捨てて我先に逃げまどう、いわゆる「パニック」状態が起こるということは実際にはきわめてまれであるということを豊富な事例を交えて詳しく解説している。もちろん、ごくまれとはいえ、パニックは起こりうるが、パニックの発生を恐れるあまり、避難の指示が遅れたりするほうが、被害が大きくなるというのである。 また、9.11同時多発テロのときの世界貿易センタービルでも、本当なら逃げ出す時間は充分にあったはずなのに、その場に長くとどまりすぎて亡くなってしまった人たちがいたという事例も紹介されている。 あわてず騒がず、でも、無駄足に終わるかもしれなくとも、いったん何か危険が身近で起こったと感じたときは、さっさと逃げ出すこと。これを読者の皆さんにぜひともお勧めしたい。たとえ、あとで誰かに笑われたとしても、命あっての物種じゃないですか。 日本のすばる望遠鏡も協力して、宇宙空間に広がる暗黒物質の立体的構造が観測された、という話題を取り上げます。 第4回目はさまざまなところに入り込んでいるニセ科学に対抗しようという科学者の取り組みについて取り上げます。 |
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